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6by Kimvan Tran, Karin Eberhart, and Kamala Tyagarajan酵母の計数と生存率測定は、ワイン、ビール、日本酒などのアルコール飲料の製造プロセスに不可欠です。酵母の正確な定量は、発酵、ピッチング、リピッチング、ボトルコンディショニングなどのステップで特に重要です。ピッチングとリピッチングは発酵プロセスの開始を意味します。発酵プロセスでは酵母が麦汁に導入されますが、この麦汁は、生産初期工程において発芽した穀物をすりつぶして得られる抽出液です。 ボトルコンディショニングとは、発酵開始後に望ましい炭酸レベルを与える酵母と糖をボトルに添加することです。バッチ間の一貫性を維持するために、発酵の重要なステップで酵母集団の濃度と生存率をモニタリングする必要があります。このパラメータの正確な調整は、一貫した発酵サイクル時間と酵母由来の芳香成分を生み出すために重要です。酵母のピッチレートが正確にモニタリングされず調節されていない場合、結果として、発酵が停止するか、最終製品の香り、風味、アルコール含有量が大きく変わる可能性があります。それらが発生すると、在庫廃棄や生産効率の低下のために製造者が痛手を被る場合があります。酵母の濃度と生存率を評価するためにアルコール製造業界で使用されている現在の方法には、血球計算盤法が含まれます。血球計算盤法は、ガラススライドチャンバー上で細胞を染色して顕微鏡や低倍率のイメージングで測定する手法ですが、他の手動の方法と同様に非常に少ない細胞を用いて測定するため、測定者のエラーにより最図1.PBSで懸濁した細胞を各チューブに添加Muse Count & Viability Kit (200X)の試薬を各チューブに添加室温で5分間インキュベート終品の品質・再現性に対し不安定な結果をもたらす場合があります。結果の不一致はピッチレートの決定や、最終的には品質や味わいに大きな影響を与える可能性があります。ここでは、Guava® Muse™ セルアナライザーとその専用キットを使用して、酵母数と生存率を迅速かつ正確に測定する最新の方法について説明します。Muse セルアナライザーは、シンプルなタッチスクリーンインターフェースを使用した丈夫でコンパクトなポータブル機器と、調製済みの専用キットを組み合わせています。これらの機能により、醸造所やその他の酵母発酵環境で新しいレベルの酵母培養管理が可能になります。実験ベンチ上のわずか21 cm x 28 cm四方に設置可能なMuseセルアナライザーは、マイクロキャピラリーを使用して酵母の計数を正確かつ迅速に実施し、生存率を評価できる超小型アナライザーです。幅広のタッチスクリーンインターフェイスと直感的に扱えるソフトウェアにより、使用に際してのトレーニングは不要です。最適化されたMuse Count&Viability Kit (200X)は、酵母の計数や生存率の測定に最適です。希釈した酵母サンプルとMuse Count&Viability Assay Kit を混合してチューブを装置にロードすると、酵母の生存率と細胞濃度の結果を含むサマリーが数秒で表示されます。Guava Muse セルアナライザーのチューブ立てにチューブをセットして測定結果を読み取るGuava Muse セルアナライザーによる酵母の計数と生存率の測定手順• PBSで希釈した酵母サンプルをチューブに添加• Muse Count and Viability Kit(200X)を添加• サンプルを混合してMuse セルアナライザーで5分以内に測定Application Noteはじめにvol.166Guava® Muse™ セルアナライザーによるアルコール飲料生産における酵母の計数と生存率測定の効率化

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