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商品の在庫・ご注文について 03-6666-59025お問い合わせE.coli (ATCC 49696™) は、寒天培地(トリプティックソイブロス:TSB)を用いて37℃で24時間培養して増殖したものを準備しました。 B.diminuta (ATCC 19146™)は、細菌捕捉性能試験における滅菌ろ過膜の品質試験ASTM F838-15ae1に基づき、2段階の培養で増殖したものを準備しました4。この方法では、微小細菌と非凝集細胞が共に捕集されます。まず、B.diminutaをTSBで30℃で24時間培養し、次に生理食塩水に溶かした乳糖ブロス(SLB)で24時間継代培養しました。培養したE.coliとB.diminutaをそれぞれCellStream フローサイトメーターで分析したところ、これらは定常期にありました。コロニー形成単位(CFU)で測定すると、開始時のE.coliとB.diminutaの平均濃度は、2.7×109 /mLと 2.5×108 /mLでした。 つづいて、56℃で90分の熱処理によって死滅したコントロール用の細菌を準備し、熱処理した細菌と熱処理無しの細菌を一定の比率で混合後、CellStream フローサイトメーターを用いて生存率を測定しました。CellStreamによる測定値の希釈直線性は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に懸濁した未処理(生菌)の細菌の線形希釈を参照して評価しました。フローサイトメトリーを実施するにあたり、細胞透過性SYTO 9 核酸染色試薬を含むLIVE/DEAD™ BacLight™ Bacterial Viability and Counting Kit(ThermoFisher Scientific)を用いて全細菌を蛍光染色しました。本試薬には、細胞膜不透過性のヨウ化プロピジウム(PI)核酸染色試薬も含まれるため、膜が損傷している死菌も同時に検出できます5。まず、SYTO 9ストック溶液5 µL、PIストック溶液5 µL、標準微粒子ビーズ溶液36.7 µL、PBS 3.3 mLを混合後、15分間インキュベーションして蛍光染色カクテルを調製しました。 つづいてCellStream フローサイトメーターに標準搭載されている96ウェルプレートのオートサンプラーを閾値を設定せずに低速モードで使用し、サンプル10 µLを取得しました。前方散乱光(FSC)は25 %、側方散乱光(SSC)は1%、励起レーザー488nmは100%の出力で設定し、CellStream の解析ソフトウェアを使用して分析しました。 1 Luminex Corporation, Seattle, Washington.2 MilliporeSigma, The Life Science business of Merck KGaA, Darmstadt, Germany operates as MilliporeSigma in the U.S. and Canada.Christine E. Probst1, Alex Chalmers2, Kathleen Souza2細菌の計数と生存率のモニタリングは、浄水場、食品・飲料製造、殺虫・消毒剤の開発、医薬品の品質管理等の様々な領域で重要です1。細菌は、増殖培地を用いたコロニー形成によって測定されることが一般的ですが、この方法は測定に時間を要し(数日必要)、培養可能な細菌にしか適用できません2。一方、フローサイトメトリーは、細菌の培養可否にかかわらずサンプル中のバクテリアを測定でき、かつ、その迅速な解析能力(数分以内)と、コンタミネーションが生じた際の緊急対応やコストを抑えた対応が可能な点で、従来法に代わる手法として提案されていました3。このアプリケーションノートでは、Amnis™ CellStream™ フローサイトメーターを用いて、モデル細菌種である大腸菌(Escherichia coli:E.coli)とシュードモナス デミニュータ(Brevundimonas diminuta:B.diminuta)の生菌と死菌を定量した結果をご紹介します。B.diminutaは、約0.3×1µmほどの培養可能な最小細菌の1つで、CellStream フローサイトメーターによる最小細菌の検出感度を確認するために使用されました。Application Noteはじめに材料と方法Amnis™ CellStream™ フローサイトメーターによる微小細菌の検出と生存率の高感度測定

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