お知らせ

　HIVは、最も高度かつマルチスケールに免疫応答の攪乱を起こすことで悪名高い持続感染ウイルスであり、癌と同様に根源的に新しい克服アプローチが現在も望まれています。それには抗レトロウイルス薬治療、開発途上のワクチンという二項対置に収まらない宿主応答の制御法が必要であると山本先生は考えておられ、そのためにはin vivoの複雑なウイルス-宿主相互作用を紐解くことが求められます。
　本ウェブセミナーでは、エイズ感染免疫の有名未解決問題であった「超・抗体抵抗性」エイズウイルス株における新規分子機構の解明（1）について、ご講演いただきます。山本先生はウイルス-宿主相互作用のイメージングサイトメトリー解析により、in vivoのヘテロなB細胞集団に含まれるcognate B細胞に病原性蛋白質Nefが細胞接触依存的に注入されることを見出されました。そして、PI3K経路駆動によるB細胞分化抑制を介して、エイズウイルスが巧妙に免疫攪乱を引き起こす仕組みを解明されました。
　山本先生には、イメージングフローサイトメーターを用いた上記の応用解析例に加えてスタンダードな使用例もご紹介頂き、参加者の皆様の各テーマに本装置がどのようなヒントを提供できるかについて共有していただきます。

（1）参考文献:Yamamoto H* & Matano T*, eLife 2023 ver1 AOP; 2024 ver2 in press.